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zoom RSS (2) 小・中校学力テストの中間報告(北海道)(昭和39年)

<<   作成日時 : 2009/05/07 22:36   >>

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北海道新聞 14面 昭和39年1964年)11月29日 日曜日

小・中校学力テストの中間報告

本道


【テストの実施状況】

 ことしテストを受けた道内の指定校は

小学校は

全体の20%に当たる406校で

児童数は

5年生 2万309人

6年生 2万2484人。


中学校は

一斉調査なので

2年生 1294校、13万 6010人

3年生 1293校、13万6303人だった。


【全国との差】

 テスト得点の本道平均は、全国平均に比べて

小中校ともかなりの差がある。


中学校では

2年理科の4.7点が最小で

3年英語などは10.5点も開いている。


小学校での開きは

国語が

5年 5.3点

6年 5.4点

算数はともに9.2点である。


 昨年、一昨年のテストでもやはり同じ傾向だったが

ことしは その差がいっそう大きくなった。


とくに中学2年の数学ではその差が2点もふえた。


 本道の平均点を

全国の都道府県別平均点ランクに当てはめると

中学校では

2年数学と 3年社会が最低のランクにはいり

その他もほとんどが最低クラス。


小学校になると

4教科のうち 3教科までが最低ランク

残る1教科(5年国語)もほぼ最低クラス。


 この得点を

通知せんに使う 5段階式の学力偏差値で表わすと

本道の中学生の成績は1と2

小学生はオール1という

かんばしくない評価になる。


【地域別の学力】

 一例として

中学3年の英語をみると

1番いいのが住宅市街(46.7

ついで商業市街

工業市街

その他の市街

都市近郊農村

鉱山市街

小都市

普通農村

鉱山

純農村

農山村

漁村

山村(25.0)の順。


他の教科も大体 同じ順。


各地域類型とも

全国平均のそれに比べて

劣っており

とくに

市街地における

全国平均と本道の学力差は大きい。



逆に

辺地の学力は

都市部に比べると

著しく遅れているが

全国平均の辺地と学力の差は小さい。


比較的 恵まれた環境にある

市街地で

なぜ本道と全国水準の間で

このように差があるか


こんどのテスト結果は

この点に究明すべき1つの問題を投げかけている。


【児童生徒の得点分布】

 小、中校ともに

国語は40〜60点に得点が集まり

分布曲線は富士山型の正常な形になっている。


しかし

他の教科はよい成績のものが少なく

低い得点のものが多いため

同曲線は L字型だ。


本州の場合

よい成績のものと

悪い成績のものの

2つの山ができることを考慮すると

国語以外の教科では

本道の児童生徒中

素質のあるものも

じゅうぶんに学力を伸ばし切れず

足踏みしているのではないかと


推定される。

ことし行われた

中三学力テスト

札幌市内の中学校で


画像



国語』が劣る中学生

小学 書き取り、作文が低調

【教科別問題点】

(中学校)

 国語の漢字を読む力はともかく

書く力が全国水準に比べて非常に劣っている。


また文章を正確に読み取る力

ことばのきまり(文法)の

基礎的な力が劣っている。


社会で全国平均に著しく劣っているのは

2年では日本の都市についての知識

3年では江戸時代の農業、都市の問題だった。


一方

北アフリカから西南アジアにかけての地域(2年

20世紀前半の日本と世界(3年)についての問題は

全国水準にいちばん近い正答率だった。


 数学は

昨年まで3年間は少しずつ上がっていたが

ことしはガタっと下がっている。


とくに

2, 3年とも

文字を使った式の計算がとくに悪かった。


たとえば

a÷b×cを分数で表わせ。


の正答率が

全国平均に比べてかなり悪い(中学2年)。


また

長い問題文を読みとおして

解決しようという

根気力に欠けているのではないか。


とみられるところもあった。


 理科では

原理的知識を聞く問題は比較的よくできるが

それを応用して計算を必要とするような問題は

全国水準からみてかなり劣る。


一般的にいって

思考力を働かせたり

論理的に発展させる力が

不じゅうぶんだ。


英語は

読むことに重点をおきすぎるあまり

やさしいつづりさえ

満足に書けない生徒が多い。



また

道内の公立高校入試で

英語の得点が

他教科にくらべ低くみられているためか

全国水準からみて

英語の学力不足がとくにめだつ。



(小学校)

 国語は

5年生で書き取りが

6年生では作文力が

最も低調だった。


また ともに 説明文の読解力のうち

この” “あの” の指示語の指導に

いまひとくふうが必要なことがわかった。


 算数は

問題の意味を正しく読み取る力が

不足しているのが目につく。


5年生では小数の除法が

全国平均に比べ ひどく劣っている。


6年生は

基本的でやさしい問題が全国に比べ高く

比較的むずかしい問題は

本州なみの得点をしている。


【道教委の見解】

 道教委は昨年の学力テストの結果

本道の学力が全国の最低クラスにあったことから

本年度、学力向上を最重点施策に取りあげた。


その内容は

教科推進員制度の新設

研修の充実などを中心とする

教員の質の向上

教職員の定員増

授業時間確保の推進などだが

効果をはっきりあげるには

なお相当の時間のかかる問題であり

こんどのテストでは

昨年同様、差が ほとんど つまっていない。


これについて 二本木 道 教育長は

具体的に対策をたてて学力向上に取り組んだのは

本年度からであって

本道は都府県に比べ立ち遅れがあったと思う。


とくに

やさしい問題について

本州と大きな格差のあることは


考えなければならないことで

授業時間の確保の必要性を示している。


小中高を通じ

児童、生徒の能力を最大限に伸ばすような体制をつくるよう

いろいろ研究していきたい。


と語っている。



↑ 北海道に関連したあたりの本文である。漢数字は算用数字に直した箇所がある。括弧、句読点、文字の大きさは変更した箇所がある。

なお、今回、ブログ記事に載せている資料は

国立国会図書館で検索できないような

貴重な資料である可能性がある。


学力テストの最後の年である1964(昭和39)年の

小学校及び中学校の学力テストの報告書は所蔵しているか。

また、今年度(平成20年度)実施した学力テストの調査結果のように、

都道府県別で結果を確認できるか。


1)OPACにて”学力テスト”、”結果”、”報告”の言葉を組み合わせて検索したが、

報告書類がほとんどヒットせず、

"学力テスト"の代わりに"学力調査"で検索したところ、昭和30年代の報告書類がヒットした。


内容を確認したところ、都市累計別(都市・農村・漁村・山村など)ごとの結果表はあるが、

都道府県別のものは無かった。

2)『昭和教育史』(参考資料5)を調査
p.1040

文部省ではテストの結果は秘密にしていたが、各県の担当者は情報を入手して・・・

とあり、

県担当者レベルでは結果は伝わっていたが、公にはされていない と考えられる。

3)『現代教育評価事典』(参考資料6)で「学力調査」の項目を検索
p.86

"文部省は、1956〜1966年、全国学力調査を実施した。

とりわけ1961〜1965年には中2・中3を対象に悉皆調査を行い、・・・


から、

1964年の調査は最後ではないことがうかがえる。


レファレンス協同データベース』(国立国会図書館

http://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000047603


この国立国会図書館のサイトを読んで

新聞というものが

かなり貴重な資料であるということが

よく実感できたのは

いうまでもない。


各県の担当者が秘密にしているような情報さえ

図書館で堂々と読むことができるのだから。


もっとも、私が入手できたのは、北海道だけだが・・・


大雑把なまとめ

昭和39年頃の北海道の学力は、全国と比較すると、ひどかった。

その原因は、僻地ではなく、都市部だった。






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