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zoom RSS 1978年(昭和53年)3月実施 北海道大学入学試験 日本史 大問3

<<   作成日時 : 2014/08/12 21:34   >>

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1978年(昭和53年)3月実施 北海道大学入学試験 日本史 大問3の問題文を載せておく。

北海道新聞 昭和53年(1978年)3月5日(日曜日) 特集 12面に載っていたもの

大問3 次のa〜fの文章を読み, それぞれの問に答えよ。

a 中江藤樹は躬行の一派を立てゝ近江聖人の名高く, 山崎闇斎は雄風鬱勃として程朱の学を極めしが, 遂に儒者より一転して神道に入れり。

熊沢蕃山に至(いたっ)ては三百年間の儒林を一掃する豪傑の資を以て陽明の学を奉じて, 以て一代を下瞰し, 木下順庵また独立独行の識を以て宋学の外に一派を立つ。

彼等期せずして其(その)鋒を仏法に向けたりき。

b 伊藤仁斎, 及び其子東涯復古の説を掲げて起り、 荻生徂徠 てう豪傑、鬱勃たる幕朝の覇気中より蒸出せら れて宋儒を攻撃するや、学問の形勢此(ここ)に再変し て儒林相互の攻撃時代となれり。

c 当時日本外史を著はして, 大名天下に轟きたる( A )が, 私にナポレオンの大業を耳にし, 長詩を作って之(これ)を咏懐し, 意気昂然, 蘭人に示したるとき, 蘭人突(とつ)として日本の経緯度は何度なりやとの問を発せしかば, ( A )答ふる所を知らずして一驚を吃し, 従来, 天を談ずるは, 東洋に於(おい)ても空疎迂瀾の事となしたるに, 却つて経世実用の学たるを発見せるが如き一大変化を学問の上に生じたり。

d 初め家康の天下を一統して, 文教を起さんとする や, 先づ其耳に入りしものは, 藤原惺窩 の盛名なりしかば、これを延きて以て国学となせり。

而して惺窩が( B )を勧めて自家に代らしむるや, ( B )は, 叔孫通の漢高に於けるがごとく, 古来の制度に通ずる唯一の儒者なりしかば, 彼の意 見家康の手を経て制度となるもの少(すくな)からず, 四書五 経皆()な( B )によりて新註を施されたり。

e 程朱の道漸(ようや)く衰(おと)ろへ, 天下学制の長官たる( B )の学統の権勢益(ますま)す縮少しければ, 幕府は見て以て国安に害ありとなし, ( C ), 尾藤二洲等の建議により, 此に天下の学説に対して, また例の統一政略を施行することゝなり, 程朱以外の学派を名(なづ)けて異学と為し, 異学の徒は幕朝に進仕するを得ざるの制を定めたり。

是(これ)ぞ今日の官制に於て大学出身の学生には, 試験を要せずして進仕するの特権を付するに似て更らに甚しきものなりき。

f 其初めて西洋事情を著はすや, 巻首に題して「四海一家, 五族兄弟, 蒸滊済人, 電気伝信」と云へりき。

一方には攘夷の精神猶()ほ存じて, 外人を殺傷せんとするの時, は斯()く大胆なる標語を掲げて出でたり。

而して其行文の通俗なるを見, 人之を儒者に示して雅酔ならしむべしと勧むるや, は頑隨僻見の儒者は共に文明の事を語るに足らずと為して却けたり。

問1 a〜fの文中に登場する人物のうち, 下記の1つに該当する人物がいる。

 その該当する番号と人物を記入せよ。

1 その著書に『聖教要録』という著作がある。

2 過去の権威にとらわれず, 奔放な発想で談林派をつくった。

3 その塾は蘐園といい, 学統は蘐園学派ともよばれる。

4 その塾は懐徳堂といい, 主として大坂町人に支持された。

5 『庶物類纂』のような著作が特徴的である。

問2 aの文中, 下線の「神道」は, ふつう何とよばれているか。

また, その特徴は, 下記のどれに該当するか。番号で答えよ。

1 心学を加味して儒教道徳を説いたところに特色がある。

2 記紀の神話を中心に, 中華思想で朱子学に攻撃を加えた。

3 人の生活のもとは真心であり, 真心を失わなければ神の意志にかなった生活ができる, と主張した。

4 それまでの神道の要素を加え, 道徳性が強く, 尊王思想を説いた。

5 蘭学に反撥し, 天皇を中心に神道的国体論をとなえた。

問3 cの文中, ( A )に該当する人物は誰か。

問4 dおよびeの文中, ( B )に該当する人物は誰か。

また, その人物は下記のどれに該当するか。

番号で答えよ。

1 守護代出身である。

2 戦国期の豪商出身である。

3 戦国期の土豪出身である。

4 国学者出身である。

5 五山の僧出身である。

問5 eの文中, ( C )に該当する人物は誰か。

下記の中から番号で答えよ。

1 野中兼山  2 柴野栗山  3 室鳩巣   4 新井白石

5 中井竹山  6 佐藤一斎  7 太宰春台  8山片蟠桃

問6 fの文中, 下線の「」とは誰か。

問7 aからfまでの文章を, 内容が古い年代のものから新しい年代のものへの順序に, 記号で並べよ。

問8 a〜fの文章は, 竹越與三郎(三叉)の『新日本史』の一節であるが, この著作は平民主義の立場で書かれ, ひとつの時代思潮を示している。

そして, この本は『国民之友』を発刊したところから出版された。

この本が出版されたところは何というか。



ブログなので、入力方法を変更した箇所がある(たとえば、ふりがなは、括弧をつけ、その中に入れた)し、読みやすくするために改行を頻繁にした。

 【北海道新聞に載っていた解答
問1 3 荻生徂徠     問2 垂加神道 4   問3 頼山陽  問4 林羅山 5

問5 2    問6 福沢諭吉  問7 d-a-b-e-c-f 問8 民友社



問1の解説として、高校の日本史の教科書の該当する箇所を載せる。

また朱子学・陽明学は後世の学者の解釈にすぎないとして退け, 直接, 孔子・孟子の古典にかえろうとする古学もあらわれた。

この傾向の学派には山鹿素行がおり, また京都堀川に伊藤仁斎・東涯父子がいて古義堂をはじめ, 江戸では荻生徂徠が学塾蘐園をひらいた。

とくに徂徠は, 柳沢吉保・将軍吉宗に用いられて幕政にも加わったが, 儒学において, 人間のふみおこなうべき道は, 中国古代の聖人がおこなったものであるから, これを現在に適用するためにも当時の文章やことばを知る必要があるとし, 古文辞学を提唱した。

このような徂徠の学問方法は, のちの国学にも影響を与えることになった。
 

↑『日本史B 新訂版』(文部科学省検定済教科書。高等学校地理歴史科用。実教出版。平成14年1月25日発行)p 192, 193
読みやすくするために改行を頻繁にした。

問2の解説として、高校の日本史の教科書の該当する箇所を載せる。

また朱子学の一派である土佐の谷時中の南学の流れに山崎闇斎・野中兼山らが出たが, とくに闇斎は神儒融合の垂加神道を唱えた。 

垂加は闇斎の別号。

伊勢・吉田などの神道思想を集めたものであるが, 尊王思想を説いたことが特色である。
 

↑『日本史B 新訂版』(文部科学省検定済教科書。高等学校地理歴史科用。実教出版。平成14年1月25日発行)p 192 後半は垂加神道の説明である。
読みやすくするために改行を頻繁にした。

問3の解説として、高校の日本史の教科書の該当する箇所を載せる。

日本外史(頼山陽 

↑『日本史B 新訂版』(文部科学省検定済教科書。高等学校地理歴史科用。実教出版。平成14年1月25日発行)p 218

問4の解説として、高校の日本史の教科書の該当する箇所を載せる。

なかでも朱子学は, 江戸初期に藤原惺窩とその門人で幕府の顧問(侍講)となった林羅山によってひろめられた。 

↑『日本史B 新訂版』(文部科学省検定済教科書。高等学校地理歴史科用。実教出版。平成14年1月25日発行)p 192

問5の解説として、高校の日本史の教科書の該当する箇所を載せる。

柴野栗山・尾藤二洲・岡田寒泉が儒官として活躍した。

この3人を寛政の三博士という。

寒泉の転任後は古賀精里がはいった。

また, 林家の私塾であった聖堂学問所の運営も改められ, 定信辞職後の1797(寛政9)年には幕府の昌平坂学問所とした。
 

↑『日本史B 新訂版』(文部科学省検定済教科書。高等学校地理歴史科用。実教出版。平成14年1月25日発行)p 205 寛政異学の禁のところの説明である。読みやすくするために改行を頻繁にした。


問6の解説として、高校の日本史の教科書の該当する箇所を載せる。

しかし一部の人は欧米の政治や社会事情を学びはじめ, 福沢諭吉の『西洋事情』(初編1866年刊)や, 西周の『万国公法』(1866年), 加藤弘之の『真政大意』(1870年)などが刊行され, 欧米の近代的な議会制度や天賦人権思想も紹介された。 

↑『日本史B 新訂版』(文部科学省検定済教科書。高等学校地理歴史科用。実教出版。平成14年1月25日発行)p 238
 

問8の解説として、高校の日本史の教科書の該当する箇所を載せる。

そのいっぽうで, 明治20年代には, 在野の思想家として徳富蘇峰が平民主義の立場から欧化を説き, 三宅雪嶺らは伝統を尊重しつつ近代化をめざす国粋主義を唱え, 陸羯南も国民主義を主張した。 

熊本洋学校に学んだ蘇峰は, 1887年に民友社を設立して雑誌『国民之友』を発行し, 平民の自発的な力による欧米文化の導入と経済発展を主張して政府の貴族的な欧化政策を批判するとともに, 政府の軍備増強政策にも批判的な立場をとった。 

↑『日本史B 新訂版』(文部科学省検定済教科書。高等学校地理歴史科用。実教出版。平成14年1月25日発行)p 278













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